会社を選ぶ際の基準、決め方、皆さんはどんなことを優先順位の上位に据えているのでしょうか?
お給料、勤務場所、職場環境、仕事内容、会社の規模、
理想は自分が描くものにかなり近い、とか、条件が良い、とか
きっと様々でしょう。
お給料がいくらか?っていうのは重要でしょうが、それだけで良いのでしょうか。
実際に私もそうでした。
どんな社風なのか、どんな社長なのか、社歴はどのくらいなのか・・・
現在の私は社員を選ぶ側、
つまりは求人記事によって面接にいらした方を採用する立場にあります。
残念ながら、建設業というのは持たれているイメージがお世辞にも良い、とは言えません。
しかし、自らが身を置き、現場にも入り、作業員の皆さんと一緒に作業をした経験から言えるのは、
悪いイメージばかりでは無かった、という事と、所属している会社によって大きな差異があるという現実を知り得ることが出来ました。
以前も此処のコラムで書き連ねましたが、この業界はピンハネという手数料名目で利益を得ているのは事実です。
私自身がこの仕組みに嫌気が指してしまい、大きな金額を搾取された工事会社からは離脱(撤退)したり、
協力企業という名の下請の企業さんとは全ての関係を断ちました。
こんな暴挙とも呼べる荒業を自ら実行する会社など、この業界には存在しないし、出来ないだろうだの、
人が集まらないと仕事請け負っていけないでしょ、とか、散々揶揄されたり不思議がられたのは遠い昔の記憶でございます・・・
実行した理由は、
会社を守ることと継続すること。
そして、社員の給料を増やしていける体質に変えていくこと。
安心して社員が勤められる会社にしていくこと。
このような選択を経営者である私自身が行ったのです。
私どもの業界の作業員さんって日給が低い方が多かったのです。
東日本大震災後の当時、私は福島第一原子力発電所の復興作業の一員として毎日現場に入っておりました。
幸いに、当社と上下関係にある企業さんとも、全く利害関係のない企業さんとも、親しく仲良くなったおかげで取り巻く環境や現状を知る事が出来ました。
当時は圧倒的に作業員がいて、日給にして8,000円から12,000円くらいの方が多かったです。
しかしながら、その給料を払う会社への上位企業からの対価は一人あたり18,000円から23,000円くらいが支払われていました。
手数料というピンハネって、こんなに多いの??
でも、潤っているのは一部の人間のみでしょ??
なんで危険手当までピンハネされてしまうの??
こういう理不尽や業界慣習から脱皮せねば自社が生き残れないな、と当時思ったものです。
上位のポジション、つまりは出来るだけ自社より上に会社が居ない事と、
工事を請け負ってる物量が圧倒的に多い工事会社を選ぶこと、売上規模の大きな会社である事や、
更には協力企業という下請企業を大切にしてくれる会社と付き合う事、このような選ぶ基準を明確にし交渉もして自社の立ち位置を定めていくことにしました。
そして、その上で自社の社員に対しても、敢えて貢献度という独自の基準によってお給料を上げる、つまりは手取りを増やす、ということの実行もしてきました。
作業員さんって圧倒的に日給月給なので有給消化をするという慣例が無いんです。
ならば、法改正により有給休暇を5日間は取らせることが義務になったので、休まない人にはその分を給与で補填することにしました。
条件は様々ですが、宿舎という施設が整っていない当社なので、代わりとなるようアパートを借りてあげて環境に馴染んでいただくお手伝いもしてます。
この建設業というくくりにおいては、社会保障に未だに加入していない会社も散見してます。
106万の壁、130万の壁というワードが最近はよく見聞きされておりますが、
つまりは社会保険に厚生年金に雇用保険(年齢によっては介護保険も)の社会保障を本人負担が約半分、会社負担も約半分なんです。
これって、確かに大きな負担ですね、やってこなかったならば・・。
建設作業員の方が周りにいらっしゃるならその方々に聞いてみて下さい。
社会保障には加入されてますよね?
高額医療費控除も受けられるし、将来年金ももらえますよね?
残念ながら自分の事や自分の取り分だけを考えた挙句に、
会社を潰したり夜逃げしてしまったり、
ピンハネ体質が抜けきらずに自分だけが高給取りだったり、
作業員とは雇用契約を結んだ当時のままの日給だったり、
こんな会社や親方には自分からNOをつきつけましょう。
世の中には健全で従業員ファーストの建設業従事の会社はありますから。
勿論、当社もそうです。
自分の価値はいくらなのか?
会社の価値はいくらなのか?
選ぶ側も選ばれる側も社会やご時世を知るって大切なことです。
だからといって、カバー写真に いくら を使った訳ではございません。
地元いわきのいくら丼です。
おあとがよろしいようで・・・
次は12月ですね、、、早っ
株式会社 大栄機工